ウオップパラダイス: ぬるい毒

2014年11月13日木曜日

ぬるい毒


翻弄された男に復讐するため、言い
なりのフリをし続けて意趣返しをす
るというひねくれたプロットは面白
いが、それが成功したのかどうかが
分かりづらい。
それよりも男に堕とされていく過程
が、ノンフィクション『消された一
家』を思い起こさせてとても怖かっ
た。一家殲滅の主犯、松永太をこの
タッチで描いたら戦慄のホラー小説
になる。

『生きてるだけで、愛』も面白い。
女の子の実感をバカ正直に、叩きつ
けるように描写する本谷有希子は信
頼できる表現者だと思う。






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