バーナード・マラマッド「アシスタ
ント」が新装なって復刊。
タイトルも「店員」と変わった。
新潮文庫版を読了したのが、1977年
6月12日と本に記したメモにある。
36年ぶりの再会。
はたちの多感な頃、勤めの行き帰り
に熱心に読んだ。
舞台はニューヨークの貧しい地区の
食料品店。
冬の暗い朝、なじみの客がよその店
へ買いにいくのを店の主人モリスが
見て、みじめな気分に陥る場面から
はじまる。
出だしから、うっすら涙のにじむエ
ピソード。
しかし、そのみじめさは物語の進行
とともにどんどん加速し、最後には
感動的ですらあるみじめさに極まり、
ほんの少しの希望をもって終わる。
当時、あまりのリアリズムとしびれ
るほどの残酷なみじめさに胸がつま
った。
これが文学とのほんとの出会いだっ
たのかな。
ふたたびあのときの感動と喜びに出
会いたい、そんな思いが読書をつづ
けさせているのかも。
読書に目覚めたきっかけの本でした。
けさせているのかも。
読書に目覚めたきっかけの本でした。